PROXXON スーパーサーキュラソウテーブル(No.28070)

使うほどに新たなアイデアを試したくなる名機っす

スーパーサーキュラソウ
なんだかんだとミニカッティングソウでやり過ごしていたんだけど
更なる仕事のスピード・精度を求められる機会が増えたことと
建築技術の進歩に模型の表現幅も追従すべく、ついに導入っす!
仕事使いとはいえ安価なモノではないから下調べはケッコウしたんだけど
あまり使用感などに触れたサイトがなかったんで
導入をホンキで検討してるヒトに向けてインプレを
コイツはかなり使えます

初めに言っておくべきこと

取り外しは自己責任で

コイツに限らず、テーブルソーっていう道具は危険要素が多めで、扱う際には一定の緊張と集中を心がけるべきです ざっくり言うと刃物のそばに手を近づける必要があるのと、平行ガイドを使ったカットを行った際、切り終えた側の素材が手前に飛んでくる可能性が高いコト 他にも留意するべき点は多々あるんだけど、まずは危ない道具なんだという意識を持つべきかと DIYが盛んなアメリカでは木工用のテーブルソーによる事故が絶えずメーカー側も様々な対策を施しているものの、やはり最後は使い手次第です まぁどんな道具・工具にも言えるコトなんですがね

コイツにもそういった安全対策が施されていて、写真オレンジの部品「セーフティカバー」です 回転した刃物に触れないようにってのと、素材の上にオレンジ部分が乗ることで手前に飛んでくる(キックバック)ことを防止してます オレンジ部分手前には刃先が見える穴もあるんで、たいていのモノならこのセーフティカバーを外す必要はないし、外すべきではありません しかしながらウチでの使い方は数ミリ単位の切り出しだったりするんで、どうしてもジャマになるんです なので、取り扱いに注意しつつ自己責任においてこのカバーを取り外してます

各部の機能などなど

結構コンパクト

やや堅苦しい出だしになりましたが、二年ほど使用してみると使い方によってはアブナイっていうのが実感で、ホビー用とはいえ切断能力はかなり高いから様々な素材をコレで切ろう!っていう指向になり、ともすれば危険認識をおきざりにしてしまいかねないんで、改めて自分へ向け促したっていう側面もあります 実際痛い思いもしたしね

危険度をふまえた上で、ココからはいつもの調子でインプレ等を
サイズは幅300ミリ高さ160ミリ奥行き260ミリで、テーブルソーとしては結構コンパクト 何気にギモンだった商品名のサーキュラってのは「円形・循環する」っていう意味らしいんで、つまりはテーブルソーと同義と解釈できるかと 手前側面左から速度ボリューム(3500~6000min)・メインスイッチとなり、少し奥まったトコに刃の飛び出し量と角度を調整するノブがあります 刃の傾斜は無段階に45度まで傾けられます 速度調整と角度調整が必要ないなら安価なミニサーキュラソウ(No.28006)っていう選択肢もありますが、モーターのパワーもケッコウ違うんで、用途に合わせてチョイスすればいいかと思います

ガイド達

切断方法は二つ 角度切りガイド(上)に素材を沿わせてレール上をスライドさせるパターンと、直線切りガイド(下)に素材を沿わせて切っていくパターン 上のガイドでは棒材を、下のガイドでは平板から短冊状に切り出すってのが主な使い方かな 上の左側がコイツに付属するガイドで、右は同社の糸鋸盤に付いてくるガイドなんだけど、レール溝のピッチが共通なんで流用可能です あるとケッコウ便利カモ 
下のガイドは使い方にちょいコツがいりますね 固定方法が正面ノブと背面ノブの二箇所なんだけど、刃に対して水平に固定されないコトがたまにあるんで、メンドーでも刃の入りと出2箇所で寸法チェックをするべきっすね 背面側が幅広ならともかく狭かったりするとキックバックの原因になるし、刃先に抵抗がかかるんで刃にもモーターにもいいことがないし、狙った寸法で切り出せないからね 

木工用テーブルソーを使いこなしてる方はこのガイドにとにかくこだわってます アガリを左右するものだからトーゼンといえばトーゼンなんだけども、アイデアで勝負する方、フトコロ具合で勝負する方(十数万なんていうガイドもある)もいたりで、奮闘っぷりにアタマが下がります

スライドテーブル

左サイドにはスライドテーブルが備わっていて、大きめの材を安定させるコトができます 飛び出し量は刃から約360ミリでなかなか使えます それでも盤面自体が小さいから手前と奥にも欲しいトコですが、それじゃコンパクトさに欠けるしなぁ でも600ミリ角くらいの平板は扱えるようにしたいんで、いずれ自分で作る事になりそーな気がします

説明書にはナイ使い方なんだけど、スライドテーブル側に水平ガイドを付けることもできます 但しスライドテーブル自体の遊びがあるんで、クランプ等でまずスライドテーブルをしっかり固定してからガイドを付けないと、切ってるウチに間口が開いたりしてメンドーなことになりかねません 
ま 下準備次第で使える機能ってことで 

ダストボックス

右側面にメンテナンスドアがあり、切りくずの除去ができます また、このドア自体にノコ刃や六角レンチなどの収納スペースがあり便利は便利なんだけど、切りくずの中にさらされてるから、使おうと思ったトキには一度掃除してからってことになり、いいような悪いような・・・ウチでは下記してるコイツ用のカートを作ったんでこの収納スペースは活用してません 

背面には集じん機に接続できるパイプが装備(38Φ)されていて、説明書によるとここからの集じんで80%の切りくずが吸い取れるとのことですが、コレはどちらかというと集じん機の能力によると思われ・・・モノは試しでウチの集じん機を装着してみたところ、吸うことは吸うんだけど内部形状がご覧の通りただの箱なんで、吸いきれない場所がどうしても出てきますね コダワルなら内部に帆立てなんかを立てつつ切りくずが一箇所に集まりやすい形状に加工すれば集じん能力は高くできると思います どっちにしても定期的にモーター周りの掃除は必要だから、ウチではそれまで切りくずを中に貯めたままにしてますね

快適に使うためにやったコトがいくつかあるのだ

専用カートだ!

ボール盤と同様に、コロの付いたカートを作成しました 使わないトキは作業テーブル内にピタっと収まる高さにして、幅はスライドテーブルをめいいっぱい引き出しても問題ないギリギリのサイズに設定してます 素材はいつもの2バイ材の製材モノで骨格を作り、OSB板でフタをしてます テーブルソー本体は天板にネジ留めしてあるんだけど、ネジ位置は説明書にちゃんと記載されてるんで本体から採寸する必要はないっす オプションで固定用クランプもあるようですね

側面には工具収納スペースを作ってみました ってか端材に穴開けてくっつけただけなんだけど、これがケッコウ便利 IPSのソフトクランププライヤーと安いけど作りは悪くないベッセルのファミドラ一式を格納してます 

このファミドラ、298円とかで買えたりするんだけど、先端がしっかりしてるんでオススメっす ちょい見た目は安っちいんだけど、グリップの装着具合も悪くないんでチカラもかけ易いです メインドライバーとしてはちょい不安はあるけど、家庭用で頻度が高くないなら十分なスペックかと

引き出し内部

引き出し上部にはコイツの備品が収納できるよう、仕切りを立てて使ってます 刃物・ガイド類・工具・オプションパーツなどなど やっぱり専用モノは本体のそばにあった方が便利だしね

下段二つには切り残した棒材を保管 同サイズの棒をマスキングテープでまとめてからカットするのがほとんどなんだけど、その都度種類・サイズを記入してから保管してます これがある程度たまってくると、新たにまとめなくてもココから適したサイズをセレクトしてカットっていう流れができるんで、効率的っす 一本二本ならミニカッティングソウで十分なんだけど、数十本を同サイズでなんて状況にテーブルソウはとにかく便利 

こんな箱ウマを作るかどうかはともかく、本体はモーターの振動で動きがちなんで何かに固定するべきっすね ちなみにウチのコロは全てストッパー機能付きなんで、目当ての場所に持ってきたらストッパーを下ろして動きを規制してます

マザースサイコー

導入してすぐさま手をかけたのが天板(アルミ)の磨き作業です 購入したままだと表面に機械によるスクラッチ跡が残っていて、素材の滑りをジャマします まずはオイルストーンでスクラッチを散らして平滑度を上げてからケミカルでポリッシュすればなかなか滑りのいい天板になります 

ウチではマザースのマグ&アルミポリシュが常駐していて、ココもコイツで磨き上げてます コイツのエライ所は、成分に防錆剤が含まれてるようで、磨き上げた後で錆にくい点 モチロン指紋なんかはつくんだけど、いわゆるアルミ錆みたいなのはコイツを使ったモノで見たことないっす そんなワケでコレも長いこと愛用してるケミカルのひとつですね 

平行ガイド用に刻まれた目盛りはそのままだと見難いんで、墨入れして視認性を高くしてます 参考程度の精度ですが、手っ取り早く近い寸法に合わせる際に必ず使ってますね 

コイツ専用マグライト

これまたボール盤と同様にフレキアームを取り付け、マグライトを装着してます ビミョーな寸法設定で灯りは必需品ですね フレキアームにしてることで、ジャマなときは天板より下へ逃がすコトができます

説明書では鋸刃交換プレートっていう取り外し可な天板上の板があるんだけど(ウチではインサートプレートと命名)、角度切り等で刃の出幅が変わるんでスキマが広いんです 多少ネジ部が長穴になってるんで、幅を狭くすることもできるんだけど、コレ一枚で全ての状況をクリアしようと思うとコレはこれで仕方ないっす でも小さいパーツを切り出すともれなく箱内に落ちてしまうのがどーも気に入らないってのと、天板上で素材を安定させたいっていうコトを解決しようかと

で、下に書いてる専用インサートプレートを作ることにしました

インサートプレート

作り方はそう難しくなく、2ミリの発泡塩ビ板から収まるサイズに切り出し、ネジ穴を切ってから皿ビスが収まるテーパーを彫ってプレート自体は完成 コイツを本体にネジ留めしてからノコ刃を回転させながら持ち上げていけばノコ刃の通り道だけに穴の開いたインサートプレートの完成っす
弱点としては、使う刃の種類分プレートが必要な点 角度切りで使うならそれ用にも必要ってことかな ウチには穴が開いた状態のが5枚に未加工モノが10枚くらいあり、必要に応じて新たに穴を開けて使うようにしてます

あ もうひとつ弱点アリ ご覧の通りスキマがほとんどなくなるから、切りくずが落ちていきません ってことは、コッチに向かって切りくずが飛んできます(汗)だもんで防護メガネ着用で使ってるんだけど、顔や体は切りくずまみれになります
集じんパイプをフレキで持ってくれば解決しそうなコトなんだけど、あまりシステムが大掛かりになるのもメンドーなんで、切りくずまみれを受け入れるコトにしました

刃の出具合

基本機能で紹介すべき内容ですが、最後は刃の出具合について 
コイツが装着できる刃はプロクソン専用の刃で50ミリ径のと80ミリ径のもの(どっちも中心穴径は同じ)が使えて、トーゼンながら刃の出具合も変わってきます 直角に刃を出した場合、50ミリ径だと約9ミリの出 80ミリ径で約26ミリってとこですかね 角度切りでは数値がコレ以下になります 80ミリ径の刃を装着すると凶暴そうな見てくれになりますね 

プラ棒で使い勝手のいい細目(No.28020)の80ミリ径があるとすっごいアリガタイんだけど、残念ながら50ミリしかありません チップソウ(写真下)は超硬の木工・アルミ用(No.28735)で、切れ味は良好ですがプラ棒(特に細いモノ)だと切り飛ばしてしまいがちなんであまり適してないっすね また、このチップソウは山数が多い分チップひとつひとつの腰が弱く、固めの素材を押し付けると振れ気味です その場合は木工用チップソウ(No.28733)を使うと解決するかも 他にもまだ使ったことがないダイヤモンドブレード(80ミリ径)とかもあり、切れる素材の種類が広がりそうです 

サービスデータ

PROXXON(プロクソン) スーパーサーキュラソウテーブル(No.28070)
電  源 AC 100V 50/60Hz
消費電力 200W
定  格 15分
回 転 数 3500~6000rpm
重  量 5.8kg

付属品 木工用ブレード・角度切りガイド・直線切りガイド
     L型レンチ(2ミリ3ミリ)・集じん用ゴムパイプ・集じんアダプター・本体取り付けネジ・セーフティカバー

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