MOC-UP
モックアップどーりに出来るかは、はなはだ疑問ですが・・・
タカツ製のVmax用キャリアを長いこと使ってるんだけど
ぼちぼち自分の使い勝手に合わせたアップグレードがしたくなってきたんです
だもんで行きつけのショップに作成してもらうべく、モックアップ作りをしてみることに
その際に思いついた砂詰めによるパイプ曲げ
金属パイプだけのテクニックかと思いきや、どーやらABSパイプでもいけそーです
肝心のキャリア・・・このまま作ってもらって問題ないのかなぁ?
なにはともあれ作るのだ
キャリアの材質は鉄で、実際にどのくらいのパイプ径で作るのかはお任せするとして、ウチで確認するべきはどういった用途設定をするかです 目的は振り分けバッグを具合よく収めるためのかさ上げ その際に何センチくらい持ち上げるかを検証しつつカタチを決めていきます
作るにあたり用意したのはホームセンターで入手可のABSパイプ(外径10mm)とジョイント材として使う6mmのパイプ コイツは黒パイプの内径に収まる寸法です
砂を詰めるにあたり、ひとまず漏斗を作成 黒パイプをあぶって先を絞ったパーツを作り、スプレー缶のフタ先端をあぶって軟くなったところで黒パイプを押し付けて貫通させただけのモノ コイツをパイプ端部にガムテなんかで固定していざ砂詰め!
砂は何を入れるべきか・・・やっぱり細かい方がいーのかなぁとか思いつつ、目に止まったブラスト用のガーネットサンド(#60)でやってみることに アルミナとかの方がヨカッタかなぁ
ひとしきり入れたらパイプを床に打ちつけ、砂の密度を上げます クロモリ鋼なんかだと杭などを打ち込んで砂の遊びを無くすのが基本のようですが、ABSじゃそうもいかないので、端部にネジを挿してハンマーで点圧した状態にしてガムテで固定しました
最初は感覚で曲げてみたんだけど、熱の加減で曲げ半径が変化するんでガイドに沿わせて曲げることに 曲がって特殊工具と化したZX-9Rのインナーチューブ(45ミリ)があったんで、コイツに沿わせてみました 加熱はホットガンで、曲げたい範囲プラスアルファにまんべんなく熱を当てつつ、少しずつパイプに力をかけて曲げていきます 屈曲がきつい場合ガイドに沿わないことがあるんだけど、熱をかけたまま左右パイプの端部を引くように力をかけるとうまいこといきます
下写真はガイドに沿わせない状態で直角以上に曲げた砂詰め仕様(上)と砂ナシ仕様(下)の比較です 砂が入っていないとRのイチバンきついとこでパイプがつぶれてるのが分かると思います 砂詰めでは内側に出っ張りシワができてますが、削り取れば整形は容易なんでコイツは使えるのではないかと
いかにもサクサクと手順を見出したように見えますが、実際のトコロ数十回曲げては失敗を繰り返してます(汗)熱の加減がゼツミョーで、パイプを溶かしてみたり燃やしてみたり・・・
ウデのせいもありますが、結局イチバンきれいにRを作るには上写真のように表面が少し沸いたくらいがベストでした 沸かさないで曲げようとすると、熱の引けが早すぎて途中で曲がらなくなり、再び熱してもRが段付きになり不正形になるんです あ 熱湯っていう手もありますね 試してみればヨカッタ・・・
表面のデコボコはサンドペーパーでカンタンに削り落とせました よく見るとぽつぽつとクレーターがあるけど、パテなんかで埋められるレベルなんで問題ないかと ってかパイプじゃなくて無垢の棒だったらこんな苦労しなくていんじゃない? と、今更思ってみても仕方ないんだけどね
当初は一本モノから全てのRを曲げるつもりで挑んでいたんだけど、サイズ調整と精度の面で都合が良くないのと、キレイにできちゃうとサイズが少々違ってもまぁいいかと妥協してしまいそうだから 成り立ちはどうであれ、寸法設定を妥協したら本末転倒だからね
4つある角を単体パーツにして、サイズと角度を調整しながら作成 こんなトキはミニカッティングソウが便利っす 黒パイプどうしの接続ポイントにはこんな感じで中継パイプを通してます 最終接着時にはモチロン、こういった調整段階でも定位置にパイプが留まってくれるから微調整がしやすいです
天板の輪郭は既存のキャリアのアウトラインをなぞりつつタンデムシートまで延長しようと考え、使い勝手がイチバン良さそうなサイズを模索しました
アレコレ考えた末の状況です・・・曲げ角度やら寸法やらで部品がどんどん変更になり、キマッタ!と思いきや全長が気に入らなかったりで、再びゼロからなんてのを繰り返しつつなんとか輪郭を形成 コレが決まれば後の作業はラクチン!(と、この時点では思っていた・・・)
高さを検討した結果、100mmほど持ち上げると振り分けバッグが程よく収まることが分かったんで、帆立ての棒材を90ミリとし、上に天板面が載って100ミリとなるように寸法設定
高さの検討だからカッティングソウでちゃっちゃと棒を切り出して固定すれば用はたりるんだけど、せっかくだからそれっぽく仕上げることにします
ボール盤に10mmのフォスナービットを付けて、黒パイプのど真ん中をくりぬく様にセットアップしてRのカット面が付いた棒材を作ります 見てくれもさることながら、こうしておくと組み立てや位置調整もしやすくなります
キャリア側に棒材が寄りかかれる板(ウッドラック)を仮止め 帆立てが等間隔になるよう、ウッドラック側にマーキングしておきます そのラインに合わせて棒材を仮付けし、収まり具合を確認 キャリアに水平に載る棒材は同寸法だけど、最前列の2本は長さが異なるんで仮組みの状態をキープしつつ、長さを調整した棒を切り出します
全ての帆立てが立ち上がったら、天板に横棒を付けていきます 帆立てのピッチに合わせた3本と、その中間に2本
モノを乗せる台座としては十分だと思うけど、ここまでカタチになってくると帆立ての強度が実際には足りない気がしてきたなぁ 最前列の2本には火打ち的な役目をする斜め棒を付け、なんとなく強度を意識してみたんだけど、このあたりは知ったぶらずにプロの意見を仰ぐとします
ま それ以前にこの通りに出来上がるとは到底思えないんだけどね(笑)
何はともあれ、こういうことは楽しみながらやるのがイチバン!
一応の完成となった状態 振り分けバッグを載せるとこんな具合です
こうしてみるとキャリアは完全な裏方ですね シートとキャリアの間にちょっとした空間が出来るんで、ここには平織りにしたテントを積載予定
スペースは有効活用しないとね タンデムシートがすっぽり隠れるようなレイアウトにしなかった理由は、給油時のクリアランスを確保するためです GSのお兄さんがいつも苦労して給油しているのを見るとなんだか申し訳なくてね
せっかくだからカタチを整えます
制作を依頼する場合、車両に固定された状態が確認できないといけません 車両を持ち込めば問題ないけど、部品単体の持ち込みだと組み付けたトキの正確な寸法を知ることが出来ない為です というのもこういった後付けの部品はたいてい組み付けがスムーズになるよう遊びがあります なのでパーツ単体で依頼する場合は組み付けた状態を再現しておくとコトがスムーズかと あらかじめ組み付けた状態で採寸しておいた寸法でアルミパイプを切り、長ネジで左右から締め付けて 車両組み付け時の状態を再現しました
ここからはまったくもって不要の工程
職業的な嵯峨なのか、キレイにならないと終わった気がしません タッチ&エラーの末にたどり着いたこのカタチ たとえこの通りにならなかったとしてもいーんです 実用性のナイ完成品を目指します!
実際に溶接した場合、棒の継ぎ目は埋まります モックアップではそこを瞬間接着剤(ゼリータイプ)で表現 パテでもいんだけどね 接着剤の充填がすんだらあとはひたすら棒ヤスリやサンドペーパーで面をスムーズにしていきます
半ば意地で研ぎ終えたら、最後に塗装 晴れてモックアップの完成!
見てる分にはこのまま荷物を積載しても問題なさげだけど、多分1分で粉砕だろうなぁ
あとはショップに持ち込んで、どうできるかを相談っす
実物が完成したら報告します!