ダイキ バッジマシーン -スタンダード- について
こんな機会がなければ生涯触れるコトのナイ道具だったろーなぁ
ひょんなコトからウチにやってきたバッジマシン
道具はやはり使ってナンボ めぐり会ってしまったからには使ってみたい!
ってなワケで長い眠りについていたコイツを起こすべく
只今モーレツに 缶バッジワールド 突入中っす!
ダイキ バッジマシーン N-4A(Aセット)
MODELERSMIND にも書きましたが、とにかく堅牢な箱に入ったコイツはあきらかに一般向きなモノではなさそうな雰囲気 調べてみると、株式会社ダイキというトコから出ているバッジマシーンという機械らしい 購入時に様々な組み合わせがあるよーで機械本体は共通なんだけど、アルミケースの有無・原稿カット用カッターのバリエーション・バッジのアタッチメントをどう組み合わせるかで価格も変わるよーです その中でウチに来たコイツはAセットというヤツみたい 現行モノは本体の色やロゴ等に違いがあるんだけど、骨格はおそらく同じっすね 調べて驚いたのはその価格、20万以上するのだ! コレだけでも一般的なモノじゃないってのが想像つくかと それゆえコイツのレンタルって商売が多く、そういった場合に役立つのがアルミケースなのではないかと このケースのおかげで道具に特別傷んだトコロはなく、整備は可動部の注油程度でしたね 台座がヘタってたんで塩ビ板を貼り、道具を使うチャンスをくれたPBCのステッカーを貼り(感謝っす)、アーム端部の丸玉をビリヤード風にしたら、ウチっぽい道具に変身っす
ざっくりと工程を言うと、右アタッチメントにバッジの鉄プレート・原稿・透明フィルムの順に重ね、一度アームを押し下げてバッジトップを成型 次に左アタッチメントにバッジボトム(安全ピンが付いてる側)を入れ、先ほど成型したトップパーツと組み合わせて完成といった感じ 詳細は別ページの実践編で紹介しますが、プレス工程はいたって簡単 原稿作り(デザイン作り)の方が難しいかもね バッジのサイズは20mm~75mmまであり、アタッチメントを用意すればそれぞれのサイズを作成できます コイツに付いてきたのはバッジ外径54mmのモノ やや大振りな缶バッジかもね もうちょい小さいバッジもいいなぁとか思い、アタッチメントの価格を調べてみると6万越え・・・ さすが業務用・・・
ま まぁ何はともあれイマあるモノでバッジを作るコトにしましょう(涙)
この道具的に肝はどうやらこのアタッチメントにあるよーです よくよく見ると受け金具の下にはバネが仕込まれてるんだけど、左右でバネレートが違い、ニンゲンのチカラ加減を調整してる模様 このアタリも詳細は実践編で紹介します
少し内容が前後しますが、上写真がメンテ時の分解状況 本体(カラシ色)はアルミのダイキャストながらずっしりとした質量 アーム等が通る穴にベアリングなどは仕込まれてなく、分解前に若干引っ掛かりがあったんで清掃と注油をしたトコロ、スルスルっと動くよーになりました それにしてもゴツい本体っす 下写真がアタッチメントにあたる部品で、この3点を交換することで(交換はカンタン)違うサイズのバッジが作れるよーになります ここの部品は見るからに高精度っぽく 鉄製ながら表面はアルミ材を切削したよーな感じで、おそらく黒染めしたもの ウチのは使用感こそあるけどまだまだ使えそうな状態ですね ハナシは脱線しますが、鉄の黒染めって溶液さえ準備すれば自分でも出来るみたいだね 黒染め自体が錆に強いモノではないから、染めた後で専用のコーティングをするといいらしいんだけど、ちょい興味があります なんとなくイカスミ的溶液にドボン!ってイメージだったんだけど、鉄表面で化学変化をさせて変色(酸化)させるよーで、溶液自体はほとんど無色に近いモノらしい・・・ 何か面白そう・・・
ハナシを戻して、このアタッチメントには原始的ながらもよく考えられたギミック箇所があります 本体アームに連動する側のアタッチメントには写真のよーな棒状の部品が付いてるんだけど、受け側のアタッチメントを左右に動かすことでこの棒が連動して上下する軸のスキマに滑り込み、アタッチメントの移動距離を変化させてるよーです この動きを制御してるのが背面の2本棒で、左右に動くことでわずかに棒状部品を押すんだけど、この動きに落ち着くまでさぞかし試行錯誤があったのではないかと想像します
それとは違う目線で見るとこの動きはどことなくカワイらしく、ピタゴラスイッチ的動きを思い出しましたね(笑) こういった機械は海外にもあるよーで、個人で入手するならそっちの方が現実的なお値段 バンダイからも出ていてちょいビックリしたんだけど、そちらは小さいサイズが主体みたい
ウチにやってきたコイツはあくまで業務用、10000個作っても壊れないよーなスタンスで作られている道具と考えると、あながち高額とは言えない道具かもね
ADカッター (AD-88S)
先述したとーり、付属するサークルカッターでバリエーションがあるんだけど、ウチのに入っていたのがコイツで、他と比べるとややコツが入りそーな気がします 他のは事務機のパンチ穴を開けるよーな道具で確実に丸く切れる感じ 簡便さと精度の順で4種類ほどあり、コイツは下から2番目といった感じかな とはいえ最初に缶バッジマシンを見たとき、実はバッジマシン本体よりこのカッターに見入ってしまったのだ というのもいわゆるコンパスカッターと比較すると、どこを見ても明らかにゴツイ作りをしていて、その使い勝手が気になってしょーがなかったのだ
バッジに封入する図案を丸く切るワケだから、普通のコンパスカッターみたいに中心に針穴が開くような切り方ができません そのアタリのことも良く考えられているカッターだと思いますね 下写真はカッター刃の付くアーム部分 バッジサイズに合わせた標識線が入ってるのが分かるかと思います
回転軸には上下にベアリングが付いていて、動きはスムーズです(左写真)
中心に穴が開かない代わりに、切り抜く際の位置合わせが困難になります
だもんで、右写真のよーな位置合わせガイドを図案に沿わせ、その上に本体を載せて
カットするっていうのが手順のよーですね
回転軸の付け根に刃の刺さり具合を微調整するカラーがあるんだけど(上写真)、ココの微調整がこの道具の使い勝手を左右する部分カモ 刃が出すぎていれば抵抗感が強くなり本体がズレかねないし、出が少なければ切り抜けないから、切り抜けるギリギリのセッティングってのがキモかなぁと
モノは試しにどのくらいまでの厚みが切れるものかとテストしてみました 素材はスチレンボード 3mmは切り抜けるほど刃先を出すことができず失敗 2mmも同様でしたね でも1mmはキレイに切り抜くコトができました このカッター、仕事でも使えそうです!
替刃はオルファのコンパスカッター用がそのまま使えます 厚モノこそ切れないけど切り口が垂直なんで、複数切り出して積層なんて応用もできるのではないかと
と、ココまでいつもの調子で書いていてふと思いました
個人でこの道具を導入するヒトがいるのだろーか・・・ なんだかコーフン気味にワーっと書いた文章を冷静に読み返してみると、急激に温度差を感じたりして(笑)
ま 世の中にはこんな道具もあるってコトで!